ローンの返済計画を立てるためのシミュレーション方法

ローンの返済計画立てて早く返す方法

 

思いつきで返済を続けるより、最初に「返済計画」を設計してから走りはじめる方が、総利息を抑えやすく、途中の家計ブレにも強くなります。

 

STEP1:まず揃える「5つの入力値」

返済計画の精度は、入力値の明確さで決まります。最低限、次の5つを用意しましょう。

  • 借入額(元金):実際に必要な正味の金額。予備費は別管理にして、借入は必要最小限に。
  • 年利(実質年率):キャンペーンや手数料込みで「総コスト」を見るのが鉄則。
  • 返済期間(回数):月数・年数のどちらでも可。ボーナス併用なら別枠で。
  • 返済方式:元利均等か、元金均等か。カード系はリボ(定額元利)かどうかも確認。
  • 返済日・返済頻度:月1/隔週/週1など。給料日直後に寄せると延滞リスクが下がる。

ここまで決まれば、あとは計算と比較で「最も損が少ない設計」を選ぶだけです。

 

入力テンプレ(コピペして使えます)

項目 数字 メモ
借入額(元金) __円 必要最小限に分割借入が基本
年利(実質年率) __% 手数料・保証料込みで比較
返済期間 __か月 短いほど総利息は減少
返済方式 元利均等/元金均等 家計の余力で選択
返済日・頻度 毎月〇日/隔週〇曜日 給料後3営業日に寄せる

 

STEP2:返済額を計算する(元利均等・元金均等)

返済額は方式で変わります。元利均等は毎月の支払いが一定、元金均等は毎月の元金が一定(序盤の支払額が重め、総利息は少なめ)という特徴があります。

元利均等返済の考え方(イメージ)

毎月の返済額は「元金+利息」で一定です。序盤は利息比率が高く、後半にかけて元金比率が増えていきます。家計管理はラクですが、元金が減りにくい分、繰上げ返済(期間短縮型)を併用すると総利息を圧縮できます。

元金均等返済の考え方(イメージ)

毎月の元金部分が一定のため、序盤の返済額は高くなります。そのぶん元金が早く減り、総利息は小さくなりやすい方式です。毎月の余力が見込めるなら有力候補です。

方式別の違い(早見表)
項目 元利均等 元金均等
毎月の支払 一定で管理がラク 序盤が高め→徐々に低下
総利息 やや多い傾向 少なめ
向いている人 キャッシュフロー重視 総額重視・余力あり

 

STEP3:比較シミュレーション(期間・金利・繰上げで比べる)

シミュレーションの核心は比較です。「期間」「金利」「繰上げの有無(頻度と金額)」を変えて、総支払額と毎月負担を見比べます。

 

例:同じ30万円を12か月で返す場合(概算イメージ)

設計 金利 返済方式 毎月(平均) 総利息(概算) ポイント
ベース 年14.6% 元利均等 約27,000円 約24,000円 標準
隔週返済 年14.6% 元利均等 約13,500円×2 約21,000円 平均残高が下がる
繰上げ併用 年14.6% 元利均等+毎月5,000円繰上げ 約27,000円+5,000円 約18,000円 期間短縮が効く
借り換え+繰上げ 年8.0% 元利均等+毎月5,000円繰上げ 約26,000円+5,000円 約11,000円 諸費用を要確認

大事なのは、総額(利息+手数料)で見ること。低金利でも費用が上乗せされるとトータルで損をする場合があります。

 

返済頻度を上げると、なぜ利息が減る?

利息は残高×日数×金利で決まります。隔週/週1のように元金を早く削ると、月平均残高が下がるため、累計利息も縮む仕組みです。管理の手間は増えますが、効果は高い施策です。

 

ボーナス返済・臨時返済の入れ方

ボーナス月だけ追加で元金を削る部分繰上げ(期間短縮型)が最も効率的。毎年の臨時増額額を決め、「必ず期間短縮に振り向ける」設定にしておくとブレません。

 

繰上げ返済の比較(概算イメージ)
施策 内容 総利息への影響 メモ
毎月5,000円繰上げ 期間短縮型 中〜大 最初の半年が特に効く
年2回ボーナス10,000円 期間短縮型 確実性高い
返済額軽減型 月額を下げる 小〜中 期間が延びやすい

 

STEP4:ストレステスト(もしもに備える)

計画は順風満帆を前提にせず、悪条件も織り込むのが現実的です。以下のシナリオで耐性をチェックしましょう。

ストレステスト項目

  • 収入減10〜20%:月額をギリギリまで抑えても延滞せずに回るか?
  • 臨時支出(10万〜30万円):緊急予備費で吸収できるか?
  • 金利上昇(変動型の場合):+1〜2%でも破綻しないか?
  • 延滞時のペナルティ:遅延損害金・信用情報への影響を把握しているか?

「厳しめ条件でも回る」計画にしておくと、想定外への耐性が一気に上がります。

 

返済負担率(DTI)の目安

家計の健全性を測る簡単な指標です。(全ローンの年間返済額)÷(税込年収)×100で算出。一般的には20〜25%以下をひとつの目安に。新規借入はDTIを見ながら「返せる額から逆算」するのが安全です。

 

実践:1枚でわかる「返済設計シート」

下のシートをコピーして、現在の借入と候補プランを並べて比較してください。“総利息が最小”かつ“月額が無理ない”案が最有力です。

返済設計シート(記入用)
項目 現状 プランA プランB プランC
借入額 __円 __円 __円 __円
年利(実質年率) __% __% __% __%
返済期間 __か月 __か月 __か月 __か月
方式 元利/元金 元利/元金 元利/元金 元利/元金
返済頻度 月1 隔週 週1 月1+繰上げ
毎月(平均) __円 __円 __円 __円
総利息(概算) __円 __円 __円 __円
諸費用 __円 __円 __円 __円
総支払額 __円 __円 __円 __円
備考 __ __ __ __

 

“利息を減らす”細かなテクニック

シミュレーションで「勝ち筋」を見つけたら、次は日々の運用で利息を削ります。

① 借入は必要な日・必要な額だけ

早め&多めの借入は、その分だけ日割り利息が増えます。迷ったら分割借入で。

② 返済日は給料日直後へ

残高が厚いタイミングに合わせて延滞を回避。遅延損害金は計画全体を台無しにします。

③ 返済頻度UP+少額繰上げ

例:隔週+各回2,000円上乗せなど。元金の“平均残高”を下げるのが狙い目です。

④ 手数料のゼロ化(実効金利を下げる)

ATM/振込手数料が毎回だと、低金利のメリットが消えます。無料回数の多い口座やアプリに集約しましょう。

 

家計の守り:緊急予備費と保険

返済計画は「攻め(早く返す)」と同じくらい「守り(崩さない)」が大切です。

  • 緊急予備費:最低でも生活費1〜3か月分を別口座に。急な出費で借り増しを防げます。
  • 保険の見直し:過大な保険料はキャッシュフローを圧迫。定期型+必要保障に絞ると月額が軽くなります。
  • 固定費ダイエット:通信・サブスク・光熱費の見直しは、繰上げ原資の捻出に直結します。

 

ケーススタディ:3パターン比較

同じ50万円の借入でも、設計で結果は大きく変わります(概算イメージ)。

50万円借入の比較(概算)
プラン 金利 期間 毎月(平均) 繰上げ 総利息 特徴
標準A 年14.6% 24か月 約24,000円 なし 約77,000円 標準
高頻度B 年14.6% 24か月 約12,000円×2 なし 約69,000円 頻度UPで平均残高↓
繰上げC 年14.6% 24か月→短縮 約24,000円+5,000円 毎月5,000円 約56,000円 期間短縮で利息圧縮

「頻度UP」「繰上げ」が総利息に効くことが視覚化できます。家計と両立できる範囲で組み合わせましょう。

 

実行ロードマップ(90日プラン)

計画は作って終わりではなく、早く回し始めるのがコツ。以下の90日プランで、行動をルーティン化します。

Day1〜7:初期設定

  • 入力テンプレを埋める、現状の残高と金利・費用をリスト化
  • 返済日を給料日直後へ変更申請
  • 緊急予備費の口座分離(生活費1か月分から開始)

Week2〜4:比較・決定

  • 期間・頻度・繰上げの3軸で3案以上を比較
  • 諸費用を含めた総額が最小の案を採用
  • アプリやカレンダーに返済リマインドを設定

Month2:運用開始

  • 隔週/週1返済の試行開始(少額でもOK)
  • 固定費ダイエットで毎月の繰上げ原資を捻出

Month3:チューニング

  • 1〜2か月運用した実績で繰上げ額・頻度を最適化
  • 必要なら借り換えシミュレーションを再実施(総額で再確認)

 

チェックリスト:計画の完成度を自己採点

  • □ 入力値(借入額・金利・期間・方式・頻度)が明確
  • □ 総利息・諸費用込みの総支払額で比較できた
  • □ 返済負担率(DTI)が25%以下に収まっている
  • □ 緊急予備費(1〜3か月分)を別口座に用意
  • □ 返済日は給料日直後/リマインド設定済み
  • □ 隔週/週1や少額繰上げなど、頻度UP策を採用
  • □ 金利上昇・収入減・臨時支出のストレステストを実施

 

計画は“数字”と“仕組み化”で強くなる

返済シミュレーションの要は、比較の数仕組み化です。期間・金利・繰上げ・頻度の組み合わせを複数試し、総額が最小かつ続けやすい案を選ぶ。運用では「給料日直後の自動化」「少額・高頻度の繰上げ」「手数料ゼロ化」をセットにすれば、月ごとの手応えが目に見えて出ます。今日このあと、テンプレ表に数字を1つ入れてみてください。最初の一歩が、利息を最小化する最短ルートです。

おすすめの記事